川瀬先生のこと 2 サンルームで

川瀬先生の仕事場 サンルーム

私がアルバイトをした部屋は、川瀬先生の仕事場でした。応接間からせりだして作られたサンルームで、先生といっしょです。手前が先生で、奥に私がすわりました。
庭が見通せて、屋根は半透明で、大きな本棚がありました。机の上には原稿や本がいっぱいで、英語の大きな国語辞典がありました。日本語の国語辞典や漢和辞典も私のために用意されていました。どきどきして、ちょっと不安で、わくわくしました。

川瀬先生がおっしゃるのには、
「私の第二の故郷のニュージーランドのことを、本にします。原稿はできているので、あなたには日本語の旧かなづかいをなおしてほしいと思っています。最終的には出版社の方のチェックをうけますので、その前に若い学生のあなたがやってください。これがあなたにアルバイトに来ていただいた目的です。
そうしてもうひとつの目的。この本を読んでニュージーランドのことを知って、理解してほしいのです。まったくニュージーランドのことをしらない若い人にニュージーランドの歴史や今、どんな国なのか知ってほしい、これが第二の目的。」
白髪の眉毛と目がきらきらしていました。

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